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スタッフ時々日記の記事一覧
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日本建築が世界で評価されてきた理由
2015.05.20日本の建築は世界で高く評価されています。海外のちょっとした本屋さんの建築コーナーには必ず日本建築を紹介した書籍がおかれています。何故か。世界のほとんどの建築では内外は固い壁で明確に分けられていますが、日本の伝統的な建物には、大きな屋根と柱があるだけで壁らしい壁がなく、その代わりに外周には雨戸、格子戸、障子など可動の建具がはまっています。そして土間や縁側など、ソトかウチかわからない場所があり、室内と繋がっている。伝統的な日本建築はシンプルで洗練されたデザイン性、素材感や職人技を生かした繊細な美しさ、そして一番の魅力である住まいと自然のつながり方の妙。これらが世界の人々の心を捉えているのではないでしょうか。 -
縁側のチカラ
2015.05.19縁側は建物の外周にあって、季節や天候に応じて建具を開閉することでソトになったりウチになったりする変幻自在な場所です。また庭を見ながら縁側に腰掛けてスイカを食べたり、花火をしたり、家族団らんの場所、近所の人が気軽に訪れる社交場、子供の遊び場としても使われます。さらにもう一つ、障子を通して室内に採光、換気を供給する場所でもあります。縁側は建物の皮膚にあたる空気層になっていますので、夏の日差しを遮ったり、冬の寒さを和らげたりする働きもある・・。こうしてみると、縁側には自然との「縁」、社会との「縁」、家族同士の「縁」という3つの関係性を取り持つチカラを持っていることがわかります。最近の建築からは縁側はめっきり見なくなりましたが、色々な縁が薄れつつある昨今と関連しているのでしょうか(ーー;) -
木の家をつくることは、街に森をつくること
2015.05.16森林は大気から二酸化炭素を取り込み、固定・貯蔵します。それは家を作るときに加工され木材になっても同様。長持ちする家を作り、長く住めば二酸化炭素は長期間貯蔵されます。これが「街に森をつくる」所以です。製造時に必要なエネルギーも、木材を1とするなら鋼材は191、アルミは791と木材は格段の少なさです(^^) -
広さと深さ・・・
2015.05.15小さくても広く感じる空間、20畳以上の大きさなのに狭く感じる空間・・。設計の達人は「深さのある広さ」を作り出します。窓が大きく、遠くまで見渡せ、天井が高ければいいか、というとそんなに単純なものでもありません。手練れのプロが設計すると、小さな敷地、小さな建物でも、深く、広さを感じる建物に仕上げることができます。その肝は「たまり」。重心が大事と言われます。また目線の抜けも重要です。「たまり」・・・なんだかわかったような、わからないような言葉ですが、いい家を見ると、これが「たまり」ってやつか・・・と何となくわかるから不思議です。
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家事コーナーの位置は・・・
2015.05.14最近は「家事コーナー」を希望される方が増えています。「家事」の言葉を紐解くと「掃除・洗濯・炊事など、家庭生活を営むなための大小いろいろの用事」ということですが、主婦(主夫)が使う場所なら家事動線の一部に組み込みますし、ほかの家族の頻繁に使う場所なら、家事動線から一歩はずれた場所に、仕事や勉強も出来る場所として考えるなら、場として落ち着きのある必要が出てきます。家事コーナーといっても結局はその家族の暮らしに則して決まることになりますが、意外な場所に作ることで家族みんなの暮らしに幅が出できます。ただ、何度打合せして、プラン図を見て推敲を重ねていかないと納得した収まりになりませんが・・・